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“Perspectives on Artificial Intelligence/Robotics and Work/Employment”公開のお知らせ

国立国会図書館 平成29年度 科学技術に関する調査プロジェクト:人工知能・ロボットと労働・雇用をめぐる視点, 2018 の全訳(英語)がAIRのウェブサイトで公開されました:

Perspectives on Artificial Intelligence/Robotics and Work/Employment
Contents

Preface for English translation
Preface
Summary

Introduction1

Part 1 Trends in Research and Technology
Ⅰ Knowledge Processing and Machine Learning
Ⅱ Natural Language Processing
Ⅲ Image Acquisition and Recognition
Ⅳ Speech Interfaces
Ⅴ Human-Agent Interaction
Ⅵ Robots
Ⅶ Internet of Things
Ⅷ Multi-agent Systems
Ⅸ Crowdsourcing

Part 2 AI Trends by Domain
Ⅰ Healthcare
Ⅱ Elderly Care
Ⅲ Art and Design
Ⅳ Education
Ⅴ Hospitality
Ⅵ Transportation / Mobility
Ⅶ Agriculture
Ⅷ Public Order and Security
Column 1 AI applications for Defense and National Security Overseas
Column 2 Japanese Chess (Shōgi)

Part 3 AI and Employment Overseas, and in Development, Utilization and Management of Human Resources
Ⅰ AI, Robotics and Employment Policy Trends in US
Ⅱ AI, Robotics and Employment Policy Trends in EU and Germany
Ⅲ AI and Employment Issues in France
Ⅳ AI, Robotics, and Labor in the Chinese Workplace
Ⅴ Technological Innovation and Employment
Ⅵ Human Resources and Labor Management by IT and its Regulation: Japan and Overseas
Ⅶ Development and Recruitment of AI-related Human Resources

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[開催報告]「人と機械の適度な距離:ロボット・AI・人体改造」

人とロボット、人工知能の関係性はますます複雑になってきています。
そして同時に強烈な問いを突き付けます:すなわち人間とは、知性とは何なのか。人と機械は感情的な繋がりを持つことができるのか。機械は人間の機能を拡張するのか。そして研究者の責任やイノベーションの在り方は国によってどう違うのか。

2018年5月12日に開催されたイベントでは、フランスとロシア、そして日本の研究者が、人と機械の関係性に関する研究動向について紹介しました。

まず、開会の挨拶として東京大学の江間が、本イベントをInternational(国際的)、哲学から技術まで及ぶInterdisciplinary(学際的)、そして人と機械、技術と社会のInteraction(相互作用)という点から構成したと話しました。

最初の話題提供者であるソルボンヌ大学のローランス・ドヴィレー氏は「音声インタラクションにおける感情的社会的側面:技術的かつ倫理的な課題」と題して講演を行いました。機械学習や音声認識の研究者でもあるドヴィレー氏は、介護の現場などにおいて人間と機械の「感情的なやり取り」の重要性を指摘し、人間の感情を認識、解釈、シミュレートできるシステムの研究をしています。一方で、感情に関する研究には、人の行動を誘導したり操作したりしかねないという社会的かつ倫理的な課題が付きまといます。そのためドヴィレー氏は全米電子電気学会(IEEE)の標準化ワーキンググループ「ロボットや知的で自律的なシステムによる倫理的なナッジング」(IEEE-SA P7008WG)を主導し、許容される誘導とそうでなはない誘導の違いは何か、そのためにはシステムにどのような透明性や説明可能性を埋め込む必要があるかを議論しています。

続いて、筑波大学の大澤博隆氏が「感情労働の代替としてのヒューマンエージェントインタラクション」と題して講演を行いました。ヒューマンエージェントインタラクションとは人と人間のように受け取られる機械(エージェント)の関係性をデザインする研究分野です。例えばエージェントをユーザの間に介在させて、ユーザ間に嫉妬の気持ちを引き起こすことが出来ることを示した研究があります。このように技術の設計によって人間同士の関係性を誘導したりする研究もあれば、逆に人間の感情労働を技術によって軽減することができるのではないかとする研究も紹介されました。大澤氏は、人と人との「騙し合い」をする人狼ゲームをエージェントにさせる「人狼知能」研究も行っています。機械が人間社会に介在する環境において、機械が人を騙すことができるのか、人が機械を信じることができるのかの研究に対しては、社会的な規範について考えることが重要であるとも指摘されました。

次に、ペルミ国立工科大学のエレナ・セレドキナ氏が「日本とロシアにおける人工知能/ロボットのステイクホルダー調査:国際的/国内的な視点」と題してロシアで行った調査結果報告を行いました。日本でAIR研究グループが行った調査をベースに、運転や介護などのタスクに対し「どこまでなら機械に任せたいか」をロシアの技術者や人文社会科学の研究者、大学院生、SF作家など様々な集団に対して行ったところ、日露で大きな傾向の違いはなかったようです。しかし、「介護」に関して、日本のほうがロシアよりも機械化に好意的な率が高かったそうです。その理由として、ロシアの平均寿命が日本よりも低いこと、社会的にも介護ホームなどではなく家族が面倒を見るのを良しとする社会規範が根強いということがあるのではないかと紹介されました。また、ロシアはソ連時代から科学技術に対して積極的なテクノクラシーが人口の一定割合占めるものの、ロシア正教など保守的な考えを持つ人たちとの間で、最先端技術に対する考え方が二分されているという文化的な背景も重要であることが紹介されました。

最後に「身体保守主義とは何か」と題して、金沢医科大学の本田康二郎氏が「我々はなぜ人型のロボットを求めるのか」という根本的な問いを提示しました。人間の身体機能を模倣した人型ロボットを、逆に人間の身体器官の代替物として埋め込むことが現在行われています。このようにして人間進化を加速すると主張する「トランスヒューマニズム宣言」では、人間が身体を自由に改造することについて他者から干渉を受けない自由(「形態的自由」=Morphological Freedom)を有するべきであると謳っています。これに対し、行き過ぎた身体改造を制限する「身体保守主義」の立場を本田氏は提唱しました。その根拠の一つとして、身体改造は単に能力増強を意味するだけではなく、改造前後の人間では同じ「世界」を共有することができず世界が分断されてしまう懸念を提示しました。

閉会挨拶として東京大学の城山英明氏は、本イベントのタイトルである「人と機械の適度な距離」だけではなく、その前提としての「人と人との距離」について考えをめぐらすことの重要性を指摘しました。本イベントでは人と人との関係に機械がどのように介入していくのか、そのデザインの仕方には技術だけではなく、倫理的、社会的、文化的な要素が含まれていることが紹介されました。議論をより深めていくためには、国際的かつ学際的な議論が今後も重要となります。

(文責:江間有沙)

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【開催報告】2018年度人工知能学会全国大会 企画セッション「AIに関わる安全保障技術を巡る世界の潮流」(2018/6/5)

2018年6月5日に開催した、2018年度人工知能学会全国大会 企画セッション「AIに関わる安全保障技術を巡る世界の潮流」(BAI Japan共催)の開催レポートを公開しました。

【開催報告】2018年度人工知能学会全国大会 企画セッション「AIに関わる安全保障技術を巡る世界の潮流」(2018/6/5)

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Beneficial AI Tokyo報告レポート

AI and Societyシンポジウムと連動して2017年10月12日に開催されたBeneficial AI Tokyoでは、人工知能(AI)の開発を安全で有益なものとするために協力するグローバルコミュニティの構築が議論されました。

学界やNPO/NGO、企業グループからの参加者が集まり、以下の13のテーマについて話し合いました。

  1. Beneficial AIに対する企業の考え方
  2. 基礎研究とBeneficial AI
  3. 長期的なリスクとベネフィットのために短期的に
    できること
  4. 日本でBeneficial AIコミュニティを作るには
  5. Beneficial AIについて境界を越えて取り組むには
  6. 技術的なAI安全性
  7. バイアスとプライバシーに対する技術的な論点
  8. Beneficial AIに対する規制?
  9. AI倫理,誰が声を上げるのか
  10. AI軍拡競争の回避
  11. 未来のポジティブなAIビジョン
  12. 底辺の10億人のためのAI
  13. Beneficial AIのためのコミュニティづくり

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Tokyo Statement in Chinese

合作开发对人类有益的人工智能— 东京宣言

人工智能可望成为人类历史上最具变革性的技术之一。无论在哪里研发,其影响必将是全球性的。这意味着如何确保人类能最终受益于人工智能将是一项我们所共同面临的挑战。

我们敦促世界各国应秉着合作而非竞争的精神来面对这一挑战。我们的共同任务是确保未来的人工智能要为人类社会的可持续性发展与繁荣作出贡献。因而人工智能应该具有明确的安全性、可靠性及稳健性,并且人工智能的开发和使用应该与其所应用地域范围内的文化及社会价值相匹配。

这一系列目标要求各个社会内部以及国际社会之间在人工智能的发展和部署方面展开广泛合作。这种合作需要来自包括工业界、学术界、政府各职能机构等社会各界及个人的广泛参与。

最重要的是,这种合作需要是全球性的。人工智能将会对每一个文化和国家产生深远的影响,因而所有文化和国家都应该在就如何开发和使用人工智能这一问题上有话语权。人工智能有望成为我们人类最伟大的成就之一。要达到这一目标,我们必须携手并进。

合作開發對人類有益的人工智能 — 東京宣言

人工智慧可望成為人類歷史上最具變革性的技術之一。無論在哪裡研發,其影響必將是全球性的。這意味著如何確保人類能最終受益於人工智慧將是一項我們所共同面臨的挑戰。

我們敦促世界各國應秉持合作而非競爭的精神來面對這一挑戰。我們的共同任務是確保未來的人工智慧要為人類社會的可持續性發展與繁榮作出貢獻。因而人工智慧應該具有明確的安全性、可靠性及穩健性,並且人工智慧的開發和使用應該與其所應用地域範圍內的文化及社會價值相匹配。

這一系列目標要求各個社會內部以及國際社會之間在人工智慧的發展和部署方面展開廣泛合作。這種合作需要來自包括產業界、學術界、政府各職能機構等社會各界及個人的廣泛參與。

最重要的是,這種合作需要是全球性的。人工智能將會對每一個文化和國家產生深遠的影響,因而所有文化和國家都應該在就如何開發和使用人工智能這一問題上有話語權。人工智能有望成為我們人類最偉大的成就之一。要達到這一目標,我們必須攜手並進。